AI面接とは?仕組み・「対話型」と「録画型」の違い・受け方と導入の流れをやさしく解説
公開: 2026/07/17 / 更新: 2026/10/13 執筆: QRUU 編集部
AI面接とは、AIが面接官の役割を担い、応募者と質疑応答をしながら選考を進める仕組みです。方式は大きく「対話型」と「録画型」の2つに分かれます。応募者はスマートフォンやPCのブラウザから好きな時間に受けられ、企業は面接の日程を調整しなくても一次面接を進められます。AIの評価は判断材料として使い、合否は人が決めるのが基本の使い方です。
AI面接とは何か
AI面接では、人間の面接官の代わりにAIが応募者へ質問し、回答を記録して評価します。応募者は企業から届いた案内のリンクを開き、PCやスマートフォンのブラウザで面接を受けます。会場へ行く必要はなく、都合のよい時間に受けられるため、企業と面接の日時をすり合わせる必要もありません。
よく使われるのは一次面接、つまり書類選考のあとに行う最初の面接です。企業は、日程の調整や面接の実施、評価の記録にかけていた作業を減らせます。応募者全員に同じ観点で質問できるので、面接官によって評価がばらつくのも抑えられます。
面接が終わると、AIは録画と、話した言葉を文字にした記録(文字起こし)、評価の下書きを用意します。採用担当者はそれを確認して、次の面接に進んでもらう人を決めます。
「対話型」と「録画型」の違い
受ける側から見ると、録画型は画面に出た質問に答えて録画を提出する形、対話型はAIと会話をしながら進む形です。どちらの方式を選ぶかで、応募者の受け止め方と、面接で分かることが変わります。
| 観点 | 録画型 | 対話型 |
|---|---|---|
| 質問の出し方 | あらかじめ決めた質問を順に表示し、応募者が録画して提出する | AIが回答を聞き取り、内容に応じてその場で次の質問を組み立てる |
| 深掘り(追加の質問) | できない | できる(「その工夫はどんなきっかけで始めたのですか?」のように、答えの先を聞ける) |
| 分かること | 話し方・伝え方・受け答えの印象 | 話し方に加えて、話した内容の具体性と一貫性 |
| 応募者の受け止め | カメラに向かって一方的に話すため、緊張すると感じる人がいる | 会話の形になるため答えやすい一方、所要時間は長くなりやすい |
| 向いている場面 | 応募が非常に多く、まず話す様子だけを確認したい | 一次面接の判断材料として、経験の中身まで聞きたい |
対話型のやり取りの例
対話型では、答えの中身に応じて「なぜ」「どうやって」「その結果どうなったか」を重ねて聞きます。たとえば「学生時代に力を入れたこと」を聞かれた場合は、次のように進みます。
- AI:学生時代に力を入れたことを教えてください。
- 応募者:飲食店のアルバイトで、新人向けの手順書を作りました。
- AI:手順書を作ろうと思ったのは、どんなきっかけからですか?
- 応募者:新人が同じところでつまずいていて、教える人によって説明も違っていたからです。
- AI:手順書ができてから、お店では何が変わりましたか?
AI面接を受ける流れ
対話型の場合、応募者はおおよそ次の流れで面接を受けます。細かな手順はツールや企業によって違うので、実際には届いた案内に従います。
- 企業から届いたメールやメッセージのリンクを開く(アプリの登録が要らないツールもある)
- ブラウザでカメラとマイクの使用を許可し、映像と音声が届いているかを確認する
- AI面接官の質問に、声で答える
- 答えの内容に応じて、AIがその場で追加の質問をする
- 面接が終わると、録画・文字起こし・評価が企業の採用担当者に届く
つまずきやすいのは、カメラとマイクの使用を許可する場面です。ブラウザに出る確認で許可しなかった場合は、ブラウザの設定からカメラとマイクを許可し直します。
AIはどうやって評価するのか
話した内容をもとに評価する方式では、AIが文字起こしを読み、企業があらかじめ決めた評価軸に沿って、点数と所見(評価の理由を書いた短いコメント)を作ります。評価軸とは、何を見て良し悪しを判断するかの観点です(例:論理的に説明できているか、経験を具体的に話せているか、自社の仕事との相性)。評価の根拠になった発言が引用つきで残るツールであれば、「なぜこの評価なのか」を人があとから確かめられます。
一方で、表情や視線を分析して評価に使うツールもあります。アメリカでの訴訟や欧州の規制は、AI面接の表情分析で解説しています。
AIの評価は、あくまで一次選考の判断材料のひとつです。顔立ちや年齢、性別のように回答の中身と関係のない情報は評価に使わず、最終的な判断は人が下します。厚生労働省も、公正な採用選考の基本として「本人のもつ適性・能力以外のことを採用基準にしない」ことを挙げています。
評価の結果は、評価軸の書き方によっても大きく変わります。「明るさ」「人柄の良さ」「熱意」のように、会話の記録からは確かめようのない言葉を評価軸にすると、AIはその言葉に沿って評価を作ろうとし、根拠のない所見を書いてしまいます。「質問に対して結論から答えているか」「具体的な行動を挙げて説明できているか」のように、記録から確認できる行動の形に直すと、評価が安定し、あとから人が検証できるようになります。
評価軸を行動の形に直す手順は、記入例とあわせて面接の評価基準の作り方で解説しています。質問と評価基準を先に決め、全員に同じ条件で行う面接の進め方は、構造化面接とはにまとめています。
よくある誤解
- 誤解1「AIが合否を決める」:合否を決めるのは人です。AIが用意するのは、判断材料となる記録と評価の下書きです
- 誤解2「表情や声色で人柄が分かる」:表情や声色は、回答の中身と関係がありません。公平に選考するため、評価には使わないようにします。確かめられるのは、話した内容の具体性と一貫性です
- 誤解3「どのAI面接ツールでも替え玉やなりすましを防げる」:対策の有無はツールによって違います(QRUUは本人確認を行っていません)。本人確認が必要なら、二次面接以降で人が確かめます
- 誤解4「導入すればすぐ使える」:何を聞き、何を良しとするかを先に決めておく必要があります。決めないまま始めると、評価が自社の基準と合いません
- 誤解5「話すのが得意でないと通らない」:話した内容をもとに評価する方式で見られるのは、内容が具体的で筋が通っているかです。言いよどんだり言い直したりしても、話した内容は文字起こしとして残ります
AI面接を受ける人が準備しておくこと(就活生・応募者向け)
AI面接では、受ける場所と時間を自分で選べます。その分、静かな場所や通信環境は自分で用意します。質問は企業が決めるもので、志望動機やこれまでの経験など、人が行う面接と同じような内容が中心です。
受ける前に整えておくこと
- 案内のメールを先に読み、受けられる期限、所要時間の目安、使える端末を確かめる
- 静かで、途中で話しかけられない場所を選ぶ(声で答えるため、周りの音も入ります)
- 通信が安定した場所で受ける。スマートフォンなら充電を十分にしておく
- カメラとマイクが使えるかを先に確かめる(始める前に確認の画面があるツールもあります)
- 時間に余裕のあるときに始める(途中でやめると、受け直せないことがあります)
話すときに意識すること
話した内容をもとに評価する方式では、内容が具体的で、筋が通っているかが見られます。次のことを意識すると、伝わりやすくなります。
- 質問には結論から答え、そのあとに理由や具体例を続ける
- 自分がとった行動を具体的に話す(何をしたか、なぜそうしたか、結果どうなったか)
- 人数・回数・期間など、数字で言えることは数字で言う
- 用意した文章を丸暗記するより、話したい経験そのものを思い出しておく(対話型では、答えに続けて「なぜ」「どうやって」と聞かれます)
途中でうまくいかなくなったとき
通信が切れた、画面が止まったといったトラブルが起きたら、案内に書かれている連絡先に、何が起きたかと、その時刻を伝えます。受け直しができるかどうかは企業によって違うため、自分で判断せず、まず問い合わせてください。
QRUUのAI面接を受ける場合
QRUUでは、評価を行うAIに映像は渡らず、AIが受け取るのは会話のテキストです。表情・視線・容姿は分析しません。回答までの待ち時間や、画面から離れた回数は面接の記録として残りますが、採用担当者が状況を把握するための補足で、この記録をもとに自動で不合格になることはありません。合否は、応募先の採用担当者が決めます。
企業がAI面接を導入するまでの流れ
- ステップ1:資料請求・相談。自社の採用課題(応募数・選考体制)を伝える
- ステップ2:トライアル。実際の画面で質問設定と面接体験を確認する
- ステップ3:質問・評価軸の設計。職種ごとの質問テンプレートを用意する
- ステップ4:運用開始。応募者に面接リンクを案内し、評価レポートを見て二次面接へ進む人を決める
導入期間はツールや準備状況によりますが、QRUUの場合はご相談から運用開始まで最短2週間ほどが目安です。ツールを比べる際の観点はAI面接ツールの選び方で、料金の考え方はAI面接の費用でくわしく説明しています。
導入前に社内で決めておくこと
ツールを選ぶ前に次のことを社内で決めておくと、比較検討も導入もはやく進みます。
- どの職種から始めるか(応募が多く、聞くことが定型化しやすい職種が向いています)
- 選考の流れのどこに置くか(書類選考の次が基本形です)
- 何を聞くか(職種ごとに3〜5問。テンプレートがあるツールなら、それを土台に調整します)
- 何を良しとするか(評価軸。記録から確認できる行動の形で書きます)
- 通過の基準を誰が決めるか、最終判断を誰がするか
このうち評価軸は、自社の採用要件にあたります。設計の支援は受けられますが、何を良しとするかは社内で言語化しておきます。そうすれば、面接官によって評価がばらつく問題も小さくなります。
応募者への案内に書いておくこと
AI面接は、応募者にとってまだなじみの薄い選考です。「なぜAI面接を行うのか」「録画データはどう扱われるのか」が案内に書かれていないと、応募者の不安が残り、辞退につながることもあります。なお、応募者の録画・文字起こし・評価はいずれも個人情報にあたります。取得の際に利用目的を伝えることなど、事業者が守るべき取り扱いは個人情報保護法のガイドライン(通則編)にまとまっています。
案内文には、次のことを書いておきます。
- AI面接を行う理由と、録画の保存期間・保管場所
- 一次選考であることと、二次以降は社員が対応すること(「ずっとAIが相手」という誤解を防ぐ)
- 受けられる期限と所要時間の目安、時間帯を問わず受けられること
- スマートフォンで受けられること、アプリの登録が不要なこと
- 静かな場所と、安定した通信環境で受けてほしいこと
- カメラとマイクの使用を許可する必要があること
- 通信トラブルなどにより途中で切れた場合の連絡先
カメラとマイクの許可と、途中で切れたときの連絡先は、とくに書き漏らさないようにします。許可の操作でつまずいた応募者や、受け直す方法が分からない応募者は、そのまま辞退してしまうことがあります。
よくある質問
- AI面接はどんな企業に向いていますか?
- 応募対応に手が回っていない企業、面接官によって評価がばらつきやすい企業、夜間・休日の応募者を取りこぼしたくない企業に向いています。会社の規模は問わず、一次面接に多くの時間を取られている企業ほど効果が出やすくなります。
- AI面接の結果だけで合否を決めてよいですか?
- おすすめしません。AIの評価は一次選考の判断材料として使い、合否は評価レポートと録画を確認したうえで人が決めてください。
- 応募者に嫌がられませんか?
- 受け止め方は応募者によって違います。好きな時間に受けられるうえ、人と向き合う面接より緊張しにくいと感じる応募者もいます。事前に、AI面接を行う理由と録画データの扱いを案内しておいてください。その際「一次選考のみAI面接で、二次以降は社員が対応します」と書き添えると、「ずっとAIが相手なのか」という不安を和らげられることがあります。
- 応募者がほとんど話さずに終わってしまった場合はどうなりますか?
- 通信トラブルや操作の戸惑いで、ほとんど話せずに終わる応募者は一定数出ます。この場合は回答が乏しく、本来は評価できません。ツールを選ぶ際は、そうしたときに「評価できない」と示してくれるかを確認してください。わずかな回答からでもそれらしい点数を出す仕組みだと、実態と違う評価をもとに判断することになります。あわせて、受け直しの案内を用意しておくと、応募者を取りこぼさずに済みます。
- 選考フローのどこに置くのが一般的ですか?
- 書類選考の次、一次面接の位置が基本形です。書類通過の連絡と同時にAI面接の案内を送ると、応募者の志望度が高いうちに選考を進められます。応募数が非常に多い場合は、書類選考の前に置いて全員に受けてもらう運用もあります。
- AI面接の対策として、何を準備すればよいですか?
- 人が行う面接と同じく、志望動機とこれまでの経験を自分の言葉で話せるようにしておくことが中心です。対話型では答えに続けて「なぜ」「どうやって」と聞かれるため、文章を丸暗記するより、何をしたか、なぜそうしたか、結果どうなったかを思い出しておくと答えやすくなります。あわせて、静かな場所と安定した通信環境を用意し、カメラとマイクが使えるかを確かめておきます。
- AI面接では、表情や見た目も評価されますか?
- ツールによって違います。話した内容をもとに評価するツールもあれば、表情や視線を分析するツールもあります。厚生労働省は、公正な採用選考の基本として、本人の適性・能力以外のことを採用基準にしないよう求めています。QRUUでは、評価を行うAIに映像は渡らず、表情・視線・容姿は分析しません。
- スマートフォンでも受けられますか?
- ツールと企業の設定によります。使える端末は案内に書かれているので、確かめてから受けてください。QRUUは、スマートフォンとPCのブラウザから受けられます。
- AI面接の録画は、誰が見るのですか?
- 応募先の企業の採用担当者が、評価とあわせて確認します。録画の保存期間や扱いは企業ごとに違います。案内に書かれていない場合は、応募先に問い合わせてください。
参考にした一次情報
- 公正な採用選考の基本厚生労働省(公正採用選考特設サイト)
- 採用選考の具体的な方法厚生労働省(公正採用選考特設サイト)
- 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)個人情報保護委員会
本記事は上記の公的な情報をもとに、採用担当者向けにかみくだいて解説しています。制度の詳細や最新の内容は、必ず出典元をご確認ください。 執筆方針は編集方針をご覧ください。